「歯医者さんはむし歯になったら行くところ」と思っている方が多いのではないでしょうか?
一度むし歯になってしまうと、健康な歯は取り戻すことはできず、治療をうけても、いつかは歯を失うことになります。
自宅でしっかり歯磨きをしていても、どうしても磨き残しはありますので、知らないうちにむし歯ができたりもします。
お母さん、お父さんの行動を子供は見ています。
子供が抱く歯医者さんに対する価値観も、親の行動次第で決まります。
「歯医者さんはむし歯にならないために行くところ」と考え、小さい子供のうちから、歯医者さんで予防を受けることをお勧めいたします。
歯医者さんで行う予防処置
歯医者さんで行う予防処置がいくつかありますので、ご紹介いたします。
むし歯予防
PMTC
PMTCとは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略称です。
歯磨きでは落とせない汚れや磨き残し、バイオフィルムを歯科医師、歯科衛生士が専門の機器や技術を使って除去するクリーニング処置となります。
口腔内の状況について、アドバイスをうけることもできますので、歯磨きの仕方についても見直すことができます。
3か月に1回程度行うことで効果があると言われています。
自費診療になりますので、かかりつけの歯医者さんにご相談してみてください。
フッ化物歯面塗布(綿球法)
フッ化物歯面塗布は、歯の表面に直接フッ化物を作用させることによって、むし歯抵抗性を与える方法となります。
比較的高濃度のフッ化物溶液やジェルを歯科医師、歯科衛生士が歯面に塗布します。
年に2回以上、定期的に継続して行うことで効果があるとされており、乳幼児に対して継続的に実施すると、むし歯をほぼ半分に減少させることができたとの調査報告もあるようです。
シーラント
シーラントとは、奥歯など咬合面の溝を特殊なプラスチック樹脂でふさいでむし歯を予防する処置のことで、永久歯に生え変わって間もない子供の歯には有効です。
奥歯の溝は歯ブラシで綺麗にすることが難しいため、その溝に入った食べ残しからむし歯になる傾向にあります。
シーラントを行うことで、その溝を埋めることができますので、むし歯予防には効果的です。
保隙(ほげき)処置
クラウンループ
乳歯を早くに失った場合、その隣の歯が倒れてくることがあります。
そうなると、永久歯が生えてくる隙間がなくなり、歯列不正を招きます。
クラウンループは、永久歯が生えてくる隙間を確保する保隙装置の一つです。
抜けた歯の隣にある乳歯にクラウンループを装着するのが特徴となります。
バンドループ
クラウンループと同様、バンドループも永久歯が生えてくる隙間を確保する保隙装置の一つです。
抜けた歯の隣が永久歯の場合、その歯を削ってクラウンループを装着することはできません。
隣りの永久歯を削ることなく、バンドループを永久歯に装着し、隙間を確保します。
その他
ラバーダム
ラバーダムは、歯の治療を行う際、治療する歯を中心に口全体をゴム製の膜で覆う処置のことです。
治療している歯の中に唾液が入ると、それと同時に細菌も入ることになり、うまく治らないことがあります。
又、器具の誤飲防止にもなりますので、積極的に取り入られている小児歯科さんが増えています。
むし歯治療(レジン充填)
むし歯が浅い場合に行う治療法となります。
削った部分にレジン(プラスチック樹脂)を詰めて、元の形に修復する処置です。
健康保険の適用になり、1回の診療で修復を終えることができます。
歯を削る量が比較的少なくて済み、白い材料なので、金属に比べると目立たないのが特徴です。
根管治療
根管治療とは、炎症を起こしている歯の神経を抜き、細菌を取り除き、消毒したのち薬剤を詰め込む一連の処置です。
むし歯が進行した歯を抜いてしまうのではなく、少しでも長く自分の歯を使えるように、残すための治療ともいえます。
根管治療は長期化する場合もあり、精神的にも経済的にも負担になるケースがありますので、そうならないためにも、日頃からの歯磨き、歯医者さんへの定期検診がとても大切です。