口内環境が悪いと健康にも影響が!
むし歯や歯周病になった場合、最悪、歯が無くなるだけとお考えの方が多いのではないでしょうか?
歯のケアを怠ると、歯を失うだけではなく、健康にも大きな影響を及ぼすことがわかってきています。
寿命と残存歯数
残った歯が少ない人ほど寿命が短くなるという調査結果が出ています。
死亡率も、20歯以上の人に比べると10~19歯の人で1.3倍、0~9歯の人で1.7倍に上昇します。
歯周病が心血管疾患リスク上昇の要因に!
歯周病原性細菌などが血管内に侵入し、血流に乗って冠状動脈に達すると、アテローム形成が加速し、心血管の病気を発症しやすくなるという調査結果が出ています。
海外での調査によると歯周病になっている方は、心血管疾患の発症リスクが1.14~1.75倍に高まることが示されているようです。
歯周病と糖尿病の関連性
糖尿病は口腔内の疾患に影響を与え、歯周病になりやすいことが分かってきました。
一方で、歯周病になると血糖コントロールが悪くなるとも言われています。
歯周病菌は、腫れた歯肉から簡単に血管内に侵入することができ、血流にのって全身に回ります。
歯周病菌が死滅しても、内毒素は残り血糖値に悪影響を及ぼすようです。
早産、低体重児出産のリスクが高くなる
妊娠している女性が歯周病に羅患している場合、早産や低体重児出産となる危険度が高くなることが指摘されています。
糖尿病の関連性と同様、歯周病菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかとも言われています。
その危険率は、実に7倍にものぼると言われており、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字となります。
誤嚥性肺炎のリスクが高くなる
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に入れてしまうことで発症する肺炎です。
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われています。
肺炎は、日本人の死亡原因第3位という高い割合を占めています。
高齢者の肺炎のうち、80歳代の約8割、90歳以上では9.5割以上が誤嚥性肺炎と調査結果が出ているようです。
むし歯や歯周病になりやすい方は、健康や寿命にも影響を及ぼします。
このような状態にならないためには、やはり子供の頃からの予防がとても大切です。
食後、就寝前、起床後の歯磨きを、歯医者さんの定期検診をうける、こうした歯の予防における習慣づけが重要となります。
しかし、小さい子供は正しい歯磨きはできず、歯医者さんに行くこともできません。
まずは、お母さん、お父さんが歯に関する正しい知識を身につけることが必要です。
そして、子供にちゃんと歯磨きを教え、しばらくは仕上げ磨きも行ってあげてください。
それでも、どうしても磨き残しはありますので、歯医者さんで定期検診をうけ、歯医者さんでしか行えない予防処置を積極的にうけるようにしてください。